「糸しょう」で感じる和の心~振袖着装体験~

創業77年の呉服店「糸しょう」

みなさん、老舗呉服店と聞くとどんな印象をお持ちですか?
高級、敷居が高そう、高い着物を売りつけられそう、気軽には入りづらい・・・
着物には少し興味はあるけれど無知だから恥ずかしい・・・

普段着物に触れない方には未知なるお店なので怖いという印象もあるのかもしれませんね、と担当していただいた中川さんもおっしゃっていました。

私も初めて「糸しょう」に行った際は緊張しました・・・。

安心してください。ぜひ気軽に足を運んでいただきたいです!

呉服店、気にはなるけど、実際どういうところ?何がおこなわれているの?

今回は体験をさせていただきました。

 

【成人式用に振袖を選ぶまで】

※スタッフの設定は18歳・・・(気持ちは18歳)・・・当時を必死で思い出す・・・

 

―振袖とはなんなのかご存知ですか?

未婚の人が着るもの、くらいの認識しかないです・・・

成人を迎えた娘によくぞ成人まで育ってくれました、
おめでとうと両親や身内がお祝いとしてプレゼントするものです。
だからこそ愛情がこもっていて受け継がれていくものであり、
振袖=家族の愛なのです。

 

初めから心つかまれるお話。振袖の意味。
社会人になった今、改めてこのお話を聞くとスタッフも当時を思い出し、振袖に込められた両親の愛を身に染みて感じます。

 

ヒアリングでじっくりコミュニケーションをとり、心を開くことからスタート。

①アンケート記入
②ヒアリング

アンケートの内容とパンフレットを見ながら好みの色やどんな姿になりたいかを聞かれます。

色を迷っていると手を出してと中川さん。

肌の色と顔立ちや雰囲気で、似あう色やその色を着たときに人に与える印象を教えて貰え、ご提案していただきました。

着物のことは何も分からないです・・・と分からずに質問に答えていましたが、細かい言葉の節々を捉えがら、好みなどしっかりひろっていただけました。

―振袖は未婚であれば35歳まで着られますよ。可愛い柄は35歳まで着ると思う?

こちらに質問を投げかけてくれて、将来のことも頭にいれておこうと自然に誘導。
せっかくの自分の着物ですから、何回も着たいですよね。

 

「お洒落なのがいい」と言ってみるスタッフ

―着こなしでお洒落にする?着物にお洒落を頼る?どっちがいいですか?

洋服のような選択肢もあることに驚き。
小物や帯の合わせで雰囲気は変えられるとのこと。

いろんな質問や例を出していただき、方向性をかためていきます。

丁寧にお聞きだしをしてくださり、私自身の意見を尊重しながらいい方に導いてくださるので、分かってくれる、という安心感も増します。

お話をした上で、中川さんがいくつか候補を絞ります。

-もし、あげるって言われたらどれ貰います?

実はピンクが好きなスタッフは、年齢を重ねるごとに洋服でピンクは心苦しいと控えているので、挑戦してみることにしました。

洋服では着ないけれど、好きで小物で持っている色が意外に似合ったりするとのこと。

年をとったから茶系と洋服の感覚で選ぶと一気に老けてしまうそうです。

③着装

店頭にあるお座敷に移動、女性スタッフのかたに着付けていただきます。

中川さんが着ている様子を見ながら帯の色を選択。
黒色の帯でしめる。ぐっとイメージが変わりました。

着付けていただきながら、お二人に興味深いお話もたくさん聞かせていただきました。
呉服屋さんだからこそ知っている着物の知識は驚きの連続で勉強になりました。
知ることにより、自分自身も着物の価値もあがりますね。

・振袖のお袖が長い意味
長い袖で邪悪なものを払いのける、変な男性を払いのけるという意味で、女性に振られた男の人が言う「そでにされる」という台詞はそこからきているそうです。
反対に、愛する人は長い袖でくるんでしまうと・・・ロマンチック。

・袖の柄の秘密
着物は表振り裏振りがあり、和楽器などお琴や三味線を弾くときに、演奏する姿勢で柄が前から見えるように配置されているそうで、左右裏表と袖の柄の量が違いました。

完成!!!立派な新成人!!!

着物を着るって本当に心が躍りますね。

・前撮りは19歳
長い袖は厄を払う意味もあり、前撮りをするために厄年の19歳で1度着ることで厄除けになるそうです。

・前撮りの文化は全国共通ではない!?
香川県は結婚式でも前撮りが普通とされていますが、他県ではないところも多いそうです。

写真を撮る際の着物での立ち振る舞いも教えていただきました。

襟元の柄は左にあるので、左肩を前にして立つ。

男性と一緒に写真を撮るときは男性は女性の右側。
そうすると着物を着ている女性は左を前にして美しく写ることができます。
男性諸君は覚えておいたほうがいいかもしれませんね!

袖からちらりと見える中に着る長襦袢の色もお洒落の秘訣。

老舗「糸しょう」では、気品、上品さが必ず根底にあります。

その上で、可愛さや大人っぽさなどがあるご本人が納得する着物選びをプロのかたがお手伝いしてくださいます。

 

 

振袖を選ぶ際に、母娘の意見が合わない問題をどう収められるのか気になり聞いてみました。

―頭ごなしで言いがちなところを、どうしてそう思うか?をお母さん、お嬢さんともに理由を詳しく聞いていくことで紐解く。その上でお互いのよいところを取り入れられる提案を行うということでした。

振袖とは両親の愛だと最初に伝えることによってお嬢様の考え方は変わるそうです。

 

―着物を売っているのではなくて着姿を売っている。
着物だけでは120点にはならない、着たご本人が幸せだなというお顔をされて120点になる。

 

このブログでは書ききれない程たくさんお話を聞かせてくださいました。

お話を聞くだけでも、着物を見てみるだけでも、「糸しょう」は大歓迎です。
ぜひお気軽に足を運んでくださいね。